抄録
要旨:微小な被殻出血により一過性運動麻痺を生じた1例を経験したので報告する.症例は48歳女性.突然の構音障害と左片麻痺が出現したため救急搬送された.CTでは径3.5 mm大の右被殻出血を認めた.来院時左不全片麻痺はほぼ改善していたが,発症10時間後に左片麻痺が再度悪化した.その際血腫の増大は認めなかった.その後症状は徐々に改善し3日後には消失した.症状が一過性に増悪した機序としては,血腫による運動および感覚神経路の破壊はなく,圧排や浮腫による二次性の虚血が考えられた.微小な被殻出血でも症状が一過性となることがあり,虚血性脳血管障害と鑑別すべく詳細な画像検索が必要と思われた.