脳卒中
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総説
地域連携システムの現状
東京都脳卒中救急搬送体制を中心として
高木 誠東京都脳卒中地域連携協議会Tokyo Metropolitan Stroke Association Council
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2014 年 36 巻 2 号 p. 90-95

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抄録

要旨:東京都は2008 年4 月に「東京都脳卒中医療連携協議会」を立ち上げ,救急搬送体制構築についての協議を開始した.その結果,2009 年3 月より救急隊が脳卒中を疑った例は,都認定の「東京都脳卒中急性期医療機関」に搬送される体制が導入された.導入1 年後に都内の1 週間の全救急搬送例の調査が行われ,救急隊の脳卒中判断の感度と特異度,救急隊の医療機関への搬送状況などには大きな問題はないことが検証された.発症から病院着までの時間の中では,発症から覚知(119 番通報)までの時間が長いことが明らかとなり,都民に対する脳卒中の啓発活動の必要性が指摘された.2 年後に再度同様の調査を行ったところ,前回に比べ発症から覚知までの時間は有意に短縮され,この期間の啓発活動の成果が示された.しかし,発症から病着(病院着)までの時間の有意な短縮はみられず,今後は覚知から病着までの時間のさらなる短縮に取り組む必要性が示唆された.

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© 2014 日本脳卒中学会
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