脳卒中
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原著
脳梗塞発症後早期からの抗血小板薬使用が予後に及ぼす影響の検討
山本 伸昭里見 淳一郎寺澤 由佳曽我部 周中島 公平佐藤 泰仁坂東 一彦阿川 昌仁浅野 登本藤 秀樹和泉 唯信梶 龍兒永廣 信治
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2014 年 36 巻 6 号 p. 419-424

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抄録

要旨:【目的】非心原性脳梗塞症患者に対して,発症早期から,シロスタゾール単独治療群とアスピリン単独治療群に分け,それぞれの脳卒中重症度,機能予後,脳梗塞後うつ状態改善度に対する影響を調べた.【対象および方法】2010 年4 月から2012 年12 月までに当センター,および関連施設に入院し,非心原性脳梗塞症と診断された発症7 日以内の脳梗塞患者168 例を対象とした.封筒法でシロスタゾール群とアスピリン群に振り分け,両群の脳卒中重症度,機能予後,脳梗塞後うつ状態改善度について検討した.【結果】患者背景では有意な違いはみられなかった.非心原性脳梗塞患者に対して急性期からシロスタゾールまたはアスピリンを投与しても,脳卒中重症度,機能予後,脳梗塞後うつ状態改善度に両群間で差はなく,急性期からのシロスタゾールの使用はアスピリンと同等の結果であった.【結論】急性期からの非心原性脳梗塞患者に対するシロスタゾールの使用は,アスピリンと同等の有効性があると考えられた.

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© 2014 日本脳卒中学会
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