抄録
要旨:一過性脳虚血発作(TIA)は,TIA 発作直後の脳梗塞発症の強力な予知因子である.ゆえに,TIA 発作の直後から治療を開始しないといけない.一般市民はTIA の知識が不十分であり,市民啓発が重要である.TIA 発作を診たときは,すみやかにアスピリンの投与を行い,その後,発症機序を推定し,その発症機序に合った治療を開始する.非心原性TIA には,抗血小板薬が投与されるが,TIA 直後は2 剤併用投与がよいかもしれない.しかし,TIA 発作3 ~ 4 週以降は,2 剤投与が脳梗塞の発症を予防できるとのエビデンスはない.心原性TIA では抗凝固薬が投与される.最近,新規経口抗凝固薬が登場した.心原性TIA 発作直後より抗凝固薬の投与が望まれるが,新規経口抗凝固薬が,投与直後から抗凝固作用の効果が現れるので,新規経口抗凝固薬が,今後,主流になるかもしれない.高血圧,糖尿病,脂質異常症,喫煙,肥満などのリスクコントロールは必須である.