脳卒中
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総説
潜因性脳卒中の診断手順
橋本 洋一郎伊藤 康幸
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2016 年 38 巻 6 号 p. 434-441

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抄録

要旨:潜因性脳卒中は病因不明の脳梗塞を指しており,脳梗塞全体の25%程度を占める.その原因としては,潜在性発作性心房細動,卵円孔開存,大動脈プラーク,がんなどがある.潜因性脳卒中では,①病歴(現病歴,既往歴,家族歴),特に発作性心房細動の既往歴,②症候の的確な把握,③ D-dimer やBNP の測定,④ 12 誘導心電図,心電図モニター,Holter 心電図検査,長時間の心電図モニター,⑤ MRI (拡散強調画像)・MRA,⑥経胸壁心エコーや頸部血管エコー,⑥経食道心エコーやTCD によるbubble study(卵円孔開存などの検出),⑦下肢静脈エコー,⑧遺伝子検査を含めた特殊な検体検査も行う必要がある.植込型心電図記録計などのtelemonitoring,冠動脈CT,高解像度動脈壁MRI (頸動脈や頭蓋内血管壁の評価),経食道心エコー,D-dimer,がんのスクリーニングなどの高度診断機器を駆使する.

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© 2016 日本脳卒中学会
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