脳卒中
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症例報告
L-アルギニン連日投与が成人発症のMELAS の脳卒中様発作に伴う神経症状とMRI 所見の改善に寄与したと考えられた1 症例
松山 友美佐竹 真理恵
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2017 年 39 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

症例は42 歳女性である.34 歳時脳卒中様発作で発症しmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes (MELAS)と診断,以降再発なく経過した.2014 年11 月下旬,理解力低下あり,12 月初旬会話不能で入院.頭部MRI の拡散強調画像で左側頭部から後頭部にかけての病変は数日で左中心前回まで拡大,右上肢の肢節運動失行も出現,L-アルギニン(L-Arg)1.0 g/kg を14 日間連日静注投与,軽度改善を認め減量中に視野障害(皮質盲)で再発し右後頭部にも病変が出現した.再度L-Arg 1.0 g/kg を連日静注投与にて神経症状は徐々に改善,画像上新規病変もすべて消失した.L-Arg 連日静注投与がMELAS の脳卒中様発作の神経症状の改善および新規病変の消失に効果を認めたと考えられた.

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© 2017 日本脳卒中学会
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