2017 年 39 巻 1 号 p. 6-11
【目的】もやもや病患者のChampagne bottle neck sign(CBNS)と内頸動脈(ICA)血流の関連を調べる.【方法】もやもや病で脳血管造影,頸部血管超音波検査を受けた108 例を対象とし,病期とCBNS の関係やCBNS と後交通動脈(Pcom)の開存の有無,ICA pulsatility index(PI)やmean velocity (MV)との関係を解析した.【結果】3 期以降でCBNS 陽性率は上昇し,Pcom 開存はCBNS 陽性例で少なかった(67.0% vs. 86.7%,p<0.001).陽性側ではPI は高く(1.30±0.34 vs. 1.02±0.12,p=0.027), MV は低かった(33.8±3.6 vs. 45.6±3.2 cm/s,p<0.001).【結論】CBNS は病期進行に伴うPcom 脱落やICA 血管抵抗上昇に伴う血流速度低下と関連すると推察される.