脳卒中
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原著
熊本型脳卒中連携クリティカルパスを用いた当院の動脈瘤性くも膜下出血患者の予後と在宅復帰率の現状
長谷川 秀寺崎 修司大田 和貴植田 裕伊東山 剛三浦 正毅
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2017 年 39 巻 2 号 p. 107-112

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抄録

当院における動脈瘤性くも膜下出血(SAH)患者の予後と在宅復帰率の現状について検討した.2010 年1 月から2013 年12 月までに当院に搬送されたSAH 患者253 名のうち,当院で外科治療を行った183 名を対象とした.臨床データは熊本型脳卒中連携クリティカルパスから得た.年齢は中央値64 歳,女性はそのうちの70%だった.入院時のWFNS グレードはI–III が72.7%で,Fisher CT 分類はグループ3 が86.3%を占めていた.症候性脳血管攣縮は19.9%にみられ,16.6%は脳梗塞に陥った.GR とMD は73.2%で,在宅復帰率は73.1%だった.在宅復帰に関して,80 歳以上,WFNS グレード,症候性脳血管攣縮,脳梗塞,水頭症が独立した決定因子であった.在宅復帰率に影響を与える脳血管攣縮,脳梗塞,水頭症に対する急性期病院での集学的治療と継続的な回復期リハビリテーションが重要と考えられた.

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© 2017 日本脳卒中学会
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