脳卒中
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原著
tPA 治療においてダイナミックに変化しうる急性期脳梗塞MRI 所見
田村 智安藤 和弘源甲斐 信行柿沼 健一
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2017 年 39 巻 6 号 p. 425-432

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抄録

【目的】3.0T-MRI が24 時間頻繁撮像可能な当院で,tPA 投与下の急性期脳梗塞MRI 所見のダイナミックな変化を報告する.【方法】tPA 治療をした急性期脳梗塞62 例で,tPA 投与前,投与中,投与後とMRI を行い,早期再開通,DWI 病巣,臨床所見の変化について検討した.【結果】早期再開通群は19 例(24%),DWI 病巣の縮小は6 例(10%)で認めた.早期再開通群の63%でtPA 投与中にTICI 2B 以上を得ていた.早期再開通がDWI 病巣の縮小,劇的な症状改善,良好な予後と関連していた.早期再開通群においてDWI 縮小群は非縮小群に比べてNIHSS が高値でASPECTS+Wが低値であった.縮小したDWI 病巣が慢性期で画像変化を生じる例もあった.【結論】tPA 投与開始後30 分から再開通やDWI 病巣の縮小を認める.早期再開通は症状と予後を改善し,重症例の比較的広い梗塞範囲のDWI 病巣も縮小しうる.

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© 2017 日本脳卒中学会
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