脳卒中
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原著
脳卒中急性期における偽痛風の合併頻度および臨床的特徴
大内 東香原 賢寿柴野 健石黒 英明
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2016 年 39 巻 6 号 p. 433-440

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抄録

【背景および目的】脳卒中における偽痛風の合併頻度と臨床的特徴を明らかにする.【方法】脳卒中患者391 例と同時期に入院した非脳卒中患者597 例を対象に両群間の偽痛風合併頻度と偽痛風臨床所見を比較した.【結果】偽痛風合併は脳卒中群で非脳卒中群より高い傾向を認め(3.3% vs 1.5%,p=0.08),McCarty の偽痛風診断基準definite,probable 例に限ると脳卒中群で有意に偽痛風発症率が高かった(1.8% vs 0.3%,p=0.03).脳卒中群の偽痛風13 例は全例が低自立度の時期に発症し,麻痺側に生じたもの4 例,麻痺側と非麻痺側の両側発症1 例,非麻痺側に生じたもの8 例であった.13 例中8 例で偽痛風診断前に抗菌薬が使用されていた.【結論】脳卒中急性期では偽痛風発症率が高く,偽痛風は非麻痺側にも生じうる.脳卒中急性期患者の発熱をみた場合,偽痛風も念頭に置く必要がある.

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© 2017 日本脳卒中学会
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