脳卒中
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症例報告
肺癌術後心房細動再発による心原性脳塞栓症の1例
小椋 貴文紙谷 秀規宇野 哲史
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2020 年 42 巻 6 号 p. 560-564

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抄録

要旨:肺癌手術後に術後心房細動(postoperative atrial fibrillation: POAF)を生じ,洞調律への回復を認めたが,その約1年後に心房細動が再発して脳塞栓症を呈した症例を経験した.症例は75歳女性.肺癌に対する左肺全摘術施行後の周術期にPOAFを呈したが,Ca拮抗薬とβ遮断薬の投与により洞調律を得た.約1年後に心房細動を再発して抗凝固療法が開始となったが,その翌日に構音障害,右不全片麻痺を呈し,左中大脳動脈M1部急性閉塞を認めた.rt-PA静注療法と機械的血栓回収療法にて再開通を得て,modified Rankin Scale 0 で退院した.胸部外科術直後のPOAFの管理については,レートコントロールや抗凝固療法などがなされるが,未だ心房細動の長期的な転帰の詳細は不明である.今回,教訓的な症例として報告する.

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© 2020 日本脳卒中学会
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