2022 年 44 巻 3 号 p. 252-258
【背景および目的】脳梗塞を発症した担癌患者の生存率に影響する因子として,複数の因子が報告されているが,深部静脈血栓症(DVT)については検討が不十分である.本研究では,活動性担癌患者の脳梗塞発症後の死亡に関連する因子について,DVT の影響を含め検討した.【方法】当院に入院した急性期脳梗塞患者のうち,癌を合併し,脳梗塞後の経過を 6 カ月間観察することのできた 94 例を対象とし,脳梗塞発症後の死亡イベントに対する各因子の関連性について,ロジスティック回帰分析にて多変量解析を行った.【結果】脳梗塞後の 6 カ月以内に死亡した症例は 40 例であり, D-dimer 高値,DVT ありが独立した死亡関連因子であることが示され,D-dimer≥4.1 mg/dl 群で死亡を多く認めた.【結論】D-dimer 高値あるいは DVT を合併した担癌脳梗塞患者は,死亡リスクが高い可能性が示唆された.