2023 年 45 巻 3 号 p. 213-219
頚動脈plaqueに関する近年の研究においては,いかにして“vulnerable plaque”を検出できるかに焦点が当てられてきた.一方,動脈硬化病変の自然歴においては,plaque rupture後のhealing processは極めて重要な病態であると考えられているが,頚動脈におけるその認知度は低い.Healing processとはplaque崩壊後の一定期間内に引き起こされる病態であり,初発脳梗塞後に十分なhealing processが得られた場合はplaque安定化へと導かれ,再発の危険性は低くなるが,逆に不完全なhealing processがなされれば不安定化へさらに傾き,再発を来す2つのphenotypeの存在が推測される.今までの研究に加えてhealing processという病態は,動脈硬化病変の自然歴を解明する上で,極めて重要な課題であると考えられる.