脳卒中
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原著
急性期脳梗塞と脳出血に伴う中等度以上の低Na血症の臨床的特徴
三浦 叡人 新保 淳輔坂田 佑輔中村 公彦他田 正義渡部 正俊佐藤 晶斉藤 明彦五十嵐 修一森田 健一
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2023 年 45 巻 3 号 p. 220-228

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抄録

【目的】欧州ガイドラインに基づき,中等度以上の低Na血症(血清Na濃度≤130 mEq/l)と診断した急性期脳梗塞と脳出血の臨床的特徴を明らかにする.【方法】急性期脳梗塞および脳出血で入院中に,中枢性低Na血症を合併した症例の臨床情報を後ろ向きに解析した.【結果】対象患者538例(脳梗塞408例,脳出血130例)のうち,入院後に脳梗塞と脳出血に関連して低Na血症を発症したのは13例(2.4%)で,低Na血症の原因はADH不適合分泌症候群(SIADH)10例,中枢性塩類喪失症候群(CSWS)3例であった.低Na血症合併群は非合併群に比して,脳出血の割合が有意に多く(p=0.004),入院日数は有意に長期だった(p=0.006).【結論】急性期脳梗塞と脳出血が原因の低Na血症は,脳出血に合併が多く,原因はSIADHが多かった.臨床の現場における低Na血症の診断には,欧州ガイドラインが有用である.

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© 2023 日本脳卒中学会

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