脳卒中
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症例報告
多発脳梗塞が診断の契機となった顕微鏡的多発血管炎の一例
藤田 真子 鈴木 千恵子三上 洋平槍澤 丘泰西嶌 春生冨山 誠彦
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 48 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

症例は83歳女性.認知機能障害,四肢の脱力,構音障害を呈し受診.頭部MRIで多発脳梗塞を認め,炎症反応高値,軽度腎機能障害,軽度の間質性肺炎像を認めた.抗血小板薬開始後も新規病巣が出現し,腎機能障害および炎症反応が悪化した.後日,myeloperoxidase-anti-neutrophil cytoplasmic antibody(MPO-ANCA)陽性が判明し,顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis: MPA)と診断した.ステロイド治療開始後,炎症反応および腎機能は改善し,神経症状の悪化なく経過した.MPAにおける中枢神経病変は稀であり,特に脳梗塞を初発症状として診断に至る症例は少ない.本例のように脳梗塞を初発とする症例は診断までに時間を要する可能性があり注意が必要である.また,血管炎に伴う脳梗塞では,血管脆弱性の病態を背景に出血を合併することがあり,抗血栓療法の適応判断には十分な注意が必要である.

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© 2026 日本脳卒中学会

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