脳卒中
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てんかん重積発作と重篤な視床出血を呈した遺伝性ATTRアミロイドーシスの1例
長嶋 孝昭 庄野 禎久河野 眞司
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11247

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抄録

症例は64歳男性.てんかん重積発作にて救急搬送となり,内科治療を行った.頭部MRIにて小脳・脳幹表面にGd造影で増強される病変を認めたため,小脳の病変に対し開頭生検術を施行し,病理検査にてアミロイドーシスを示唆する所見を認めた.遺伝子検査でトランスサイレチン遺伝子の変異(Ala25Thr)が認められ,遺伝性ATTRアミロイドーシス(脳髄膜型)の診断となり,small interfering RNA製剤(vutrisiran)投与を行った.療養型病院に転院していたが,3カ月後に意識障害が出現し再度救急搬送された.左視床出血・脳室穿破を認め,緊急で内視鏡下血腫除去を施行した.内視鏡にて脳室壁に顕著なアミロイド沈着所見を確認した.水頭症も出現したため,術後24日目に脳室腹腔シャント術を施行し,術後65日目に療養病院に転院となった.遺伝性ATTRアミロイドーシスを背景とした脳卒中症例について,文献的考察を加え報告する.

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© 2024 日本脳卒中学会

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