論文ID: 11322
発症時の画像検査で小脳テント周囲の急性硬膜下血腫を主要所見とし,くも膜下出血を伴わない破裂脳動脈瘤の2例を経験した.症例1:57歳男性,MRIで大脳半球間裂,後頭蓋窩,小脳テントを中心に血腫を認めた.血管造影で右内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部に後下方向き動脈瘤を認め,発症3日目にクリッピングした.症例2:62歳男性,小脳テント周囲に血腫を認めた.血管造影で右内頚動脈後交通動脈分岐部に後下方向き動脈瘤を認め,発症4日目にクリッピングした.2症例とも手術所見では内頚動脈瘤のdomeがテント切痕を越えて後床突起の硬膜に接しており,周囲に硬膜下血腫が認められ出血源と確定した.純粋な急性硬膜下血腫であっても動脈瘤の部位,dome projectionの検討から破裂動脈瘤の診断は可能と考えられる.