論文ID: 11319
【背景および目的】当院では2019年1月より診療放射線技師が機械的血栓回収療法(以下,血栓回収)のアシスタント業務を開始しており,診療放射線技師によるタスク・シフト/シェアの効果を本研究で検証した.【方法】2016年1月から2023年12月の間に当院で休日・夜間に内頚動脈,中大脳動脈M1部の閉塞に対して血栓回収を行った70例を対象とし,アシスタント業務導入前,アシスタント業務導入後と分け,患者背景因子,治療成績,予後,時間外労働時間を比較検証した.【結果】アシスタント業務導入前は20例,アシスタント業務導入後は50例であった.50例中39症例でアシスタント業務を行い,患者背景因子,治療成績,予後に差はなかった一方で,脳外科医の時間外労働時間は2018年以降減少した.【結論】今後は,タスク・シフト/シェアを推進するために院内教育体制の充実などが必要と考えられた.