脳卒中
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脳血管障害による片麻痺に伴う下肢筋萎縮の回復について
CTによる検討
小田嶋 奈津石合 純夫沖山 亮一古川 哲雄塚越 廣
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1988 年 10 巻 1 号 p. 74-78

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抄録

脳血管障害による片麻痺患者35例について, リハビリ訓練前後で大腿と下腿のCTを比較した.健側および患側とも大腿では大腿四頭筋, 下腿では下腿屈筋群の面積差 (ΔS) (=後値-前値) が横断面の筋全体のΔSと最も強い相関を示し, 健側薄筋のみは筋全体の変化と相関を認めなかった。臨床的な改善群 (12例) は非改善群 (23例) に比較して, 両側とも筋面積の増大が大きく, さらに健側は患側に比較して大きな変化が認められた.以上より下肢筋萎縮の回復は両下肢で認められ, むしろ健側の変化が著明で, 特に改善群で明らかであり, 健側の変化は重要な所見であると考えられた.また片麻痺に伴う筋萎縮は大腿四頭筋と下腿屈筋群において回復しやすく, 薄筋は最も変化を受けにくかった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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