脳卒中
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傍正中視床動脈閉塞に基づく特異な眼症候と無動性無言を呈したtopof the basilar syndromeの1例
木村 和美矢坂 正弘宮下 孟士山口 武典
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1990 年 12 巻 4 号 p. 363-368

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抄録

症例は68歳の心房細動を有する女性.上部脳底動脈の塞栓性閉塞に基づく特異な眼症候と無動性無言を呈した.両側性に垂直眼球運動障害があり, これに加えて, 左眼は外転位で内転障害が認められたが, 瞳孔異常はなかった.右眼はcorectopiaを呈し, 瞳孔は散大, 対光反射消失, 責任病巣として右Edinger-Westpha1核, 左動眼神経核, およびrostral interstitial nucleus of MLFが推測された.
MRIで両側視床から中脳被蓋に連続した病巣を認め, 眼症候と無動性無言は, 傍正中視床動脈の閉塞に基づくものと考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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