脳卒中
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両側総頸動脈の一過性閉塞によるラット慢性期脳虚血モデルの作製
伊藤 誠康亀山 元信吉本 高志
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1990 年 12 巻 5 号 p. 443-451

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抄録

従来虚血病変作製が不確実とされてきた両側総頸動脈一過性閉塞のみによる, ラット慢性期脳虚血モデルの作製を試みた.1時間または2時間の両側総頸動脈一過性閉塞を加え, 虚血1週間後に灌流固定を行い脳を摘出し, H-E染色切片における虚血病変を光学顕微鏡下に検討した.虚血病変はselective neuronal necrosis (SNN) とinfarction (INF) に分類した.対象108匹のうち31匹 (28.7%) が死亡し, 虚血後1週間生存した77匹中38匹 (49.4%) に何等かの虚血病変が認められた.このうち1時間虚血群49匹では, 死亡は4匹 (8.2%) のみであり, 虚血病変の認められた19匹中17匹 (89.5%) にSNNのみが認められた.これに対し2時間虚血群では, SNNの増加は認められずINFと死亡率が増加した.以上より, 形成される虚血病変のほとんどがSNNであり, 多くが生存しうる両側総頸動脈1時間閉塞ラットモデルが, 慢性期の病態研究に応用可能と思われた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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