脳卒中
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視床出血の予後について
入院時の意識レベルとCT所見の立場から
山元 敏正棚橋 紀夫奈良 昌治竹中 信夫
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1991 年 13 巻 2 号 p. 99-106

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抄録
視床出血126例のうち, 内科的治療120例の予後と入院時意識レベル, CT所見の関連を検討した.I.意識が清明・錯乱の39例中29例 (74%) は自立生活以上で, 死亡例はなし.半昏睡以上の29例中25例 (86%) が死亡.II.1) CT分類では, Ia群の36例中26例 (73%) が自立生活以上であったが, III群はI群, II群に比し予後不良で, IIIa群では4例中3例 (75%) が介助生活, IIIb群では34例中25例 (74%) が死亡.2) 血腫量10ml以下の75例中4例 (5%), 25mlを越える群14例の全例が死亡.3) 血腫最大径15mm以下の13例は全て生存したが, 35mmを越える例では28例中23例 (82%) が死亡.4) 脳室穿破を伴った73例中34例 (47%) が死亡, 伴わない群の死亡は1例 (2%) のみであった.5) 水頭症を伴った18例中15例 (83%) が死亡したが, 伴わない群の死亡は102例中20例 (20%) であった.以上より, 入院時意識レベル, CT所見 (CT分類, 血腫量, 血腫の最大径, 脳室穿破や水頭症の有無) が視床出血の機能予後に密接に関与していた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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