脳卒中
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めまい, 悪心・嘔吐, 左側方注視時の水平・回旋混合性眼振のみを呈した後下小脳動脈perimedullary segment閉塞の1例
山崎 薫片山 宗一山野 和成角南 真一成松 衛
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1991 年 13 巻 4 号 p. 240-243

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抄録

後下小脳動脈 (PICA) perimedullary segment閉塞により小脳の大梗塞をきたしたにもかかわらず, めまい, 悪心・嘔吐, 眼振のみを呈し他の神経症状を随伴せず全経過4日で軽快した59歳男性例を報告した.小脳梗塞にはめまい, 悪心, 歩行障害を主徴とし, neocerebellar syndromeを呈さず, 迷路疾患に酷似する症例が存在することが知られている.さらに歩行障害も認めない軽症例は自験例の他には文献上2例知られているにすぎない.責任病巣はいずれも小脳PICA領域である.小脳症状を示さないめまい患者でも, 小脳PICA領域梗塞も念頭におき診療にあたる必要があると考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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