脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
MRIにより検出された脳幹梗塞の臨床的検討
渡辺 正樹高橋 昭新畑 豊茂木 禧昌古瀬 和寛
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 15 巻 2 号 p. 113-118

詳細
抄録

MRIにより検出された画像上の脳幹梗塞155例を検討した.脳幹梗塞はT1強調で低信号, T2強調で高信号を, かつ2×2mm以上の異常影を有するものとした.部位では橋底部に梗塞を認めるものが132例 (85.2%) と圧倒的に多く, 1症例で2つの脳幹部位に梗塞を持つ例では全例で橋底部に梗塞が認められた.テント上脳梗塞と合併するものは122例 (78.7%) あり, 対照例より有意に高頻度であった.中でも橋底部梗塞に合併が多かった.今回の検討では, 既存のテント上症候性脳血管障害のMRIでのfollow up中に発見されたもの, あるいは一過性の不定愁訴例に伴うものを無症候性脳幹梗塞としたが, これらは57例と高率に認められ橋底部梗塞に多かった.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top