脳卒中
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経時的にMRI変化を観察し得た特発性椎骨動脈解離性動脈瘤の1剖検例
安部 博史亀井 博之延原 幸嗣竹林 茂夫西丸 雄也
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1993 年 15 巻 2 号 p. 144-150

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抄録

延髄外側症候群を呈した特発性頭蓋内椎骨動脈解離性動脈瘤の剖検例を報告した.50歳, 男性.後頭部痛にて発症, 眩暈, 歩行障害, 悪心嘔吐と症状が増悪し入院.入院時頭痛, 眩暈, 左Horner症候群, 眼振, 嚥下障害, 左協調運動障害, 右半身知覚障害を認め左延髄外側症候群と診断した.第2病日の頭部CT所見は異常を認めなかったが同日のMRIにて左延髄外側部に責任病巣を認めた.症状は第12病日には改善し安定していたが17病日頃より頭痛が増悪し18病日突然椎骨動脈解離性動脈瘤の破裂によるくも膜下出血にて死亡した.死亡まで計3回のMRIを施行し早期より解離性動脈瘤の進展を捉えることが出来た.解離性動脈瘤に於ける壁在血腫のMRI変化は, 脳実質内出血の血腫変化と等しく, T1強調画像は高信号から等信号へ, T2強調画像は低信号から等信号への変化を呈した.以上より, 解離性動脈瘤の早期診断がMRIにて可能なことが示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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