脳卒中
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病巣側の下転障害と反対側の上転障害を主徴とした視床中脳出血の1例
松島 一士加藤 洋隆丹羽 潔高木 繁治篠原 幸人
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1993 年 15 巻 3 号 p. 210-215

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抄録

患者は50歳, 男性.突然の複視で発症し, 左眼の下転障害と右眼の上転障害を主徴とし, MRIにて視床中脳境界部左側に限局した血腫が認められた.右Horner症候群, 輻輳障害を認めたが, 他の神経症候はみられなかった.垂直眼球運動の中枢として吻側内側縦束間質核 (riMLF) が人間に於いても注目され, その障害で発症したとする “vertical one-and-a-half” 症候群の例が報告されているが, 本例では視床中脳出血により一側のriMLFが障害され, 病巣側の下転障害と反対側の上転障害という特異な垂直眼球運動障害を呈したと考えられた.我々の知る限りでは今までにこの特異な眼球所見に関する報告はなく, riMLFの概念を支持するものと考え報告した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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