脳卒中
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脳ドック受診者における脳卒中発症調査
小林 祥泰小出 博己山下 一也卜蔵 浩和山口 修平
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1994 年 16 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

脳ドックを受診した脳疾患の既往のない589名にアンケートによる予後調査を行い, 返事の得られた458名 (平均59歳) を対象に解析した.潜在性脳梗塞様病変の頻度は14.5%であった.脳卒中発症は脳ドックから2.5ケ月から3年の間に7例みられ, 内訳は脳梗塞6例, 外側型脳出血1例であった.脳卒中死亡例はみられなかった.潜在性脳梗塞様病変を有する65例からは6.2%, 病変なしの393例からは0.76%と潜在性脳病変を有する群で有意に高率であった.脳卒中の危険因子の比較では高血圧既往が前者で有意に高率であり, 脳卒中家族歴も6/7にみられた.受診時の脳血流も前者で低下傾向を認めた.MRI上の潜在性脳梗塞様病変を有する群はそれを有さない群に比して脳卒中のhigh risk groupであることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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