脳卒中
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頭頸部主幹動脈のpercutaneous transluminal angio Plastyにおけるprotective balloon
中原 一郎滝 和郎菊池 晴彦田中 正人松本 晃二
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1994 年 16 巻 4 号 p. 256-264

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抄録
頭頸部主幹動脈狭窄7症例 (24~73歳平均58歳) のpercutaneous transluminal angioPlasty (PTA) において, 術中の遠位部血栓塞栓症予防の目的でprotective balloon (PB) を用いた.病変部位は, 鎖骨下動脈2例, 椎骨動脈起始部3例, 頸部内頸動脈2例で, 平均狭窄率は81%であった.PBは, 狭窄部の遠位に置きdebrisを吸引ないし脳外の血管に流し出すdistal PB法, あるいは近位に置きinduced stealやback flowにより脳内血管の血流を逆流させdebrisの注入を防ぐproximalPB法のいずれかにて行った.術中, 術後に合併症は見られず, 平均狭窄率は22%といずれも著明な改善を認めた.これらの経験をもとに頭頸部領域のPTAにおけるPBの有用性と問題点について検討した.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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