初回発作後3カ月以上生存した脳梗塞77例 (平均年齢57.8歳, 平均追跡期間46.6カ月), 脳出血70例 (同60.7歳, 同35.3カ月), くも膜下出血 (SAH) 94例 (同55.7歳, 同49.6カ月) につき, その後の脳卒中の再発状況等を検討した.再発脳卒中 (脳梗塞, 脳出血, SAH) の年間発症率は, 脳梗塞後でそれぞれ4.7%, 1.0%, 0.7%, 脳出血後で0.5%, 8.3%, 1.9%, SAH後で0.8%, 0.3%, 1.0%であった.従って, 再発脳卒中は初回発作の病型に関わらず, 初回発作と同じ病型であることが多く, 脳卒中の既往自体が新たな脳卒中, 特に同じ病型の脳卒中の危険因子の一つであると考えられた.また脳梗塞例では抗血小板剤の投与により脳梗塞の再発率は減少したが, 頭蓋内出血の頻度や重症度には無関係であった.脳出血例では再発予防に降圧治療はやはり重要で, これにより脳梗塞が誘発されることはなかった.再発SAHの原因としては, 脳動脈瘤の再発や新生, 不完全手術, 未破裂脳動脈瘤の見逃しが考えられた.
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