脳卒中
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Puremotor hemiparesisを呈した大脳脚梗塞の1例
片岡 敏西願 司小笠原 智子道下 秀信広瀬 源二郎
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1995 年 17 巻 1 号 p. 85-88

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抄録
症例は59歳男性, 高血圧と糖尿病の既往があり, 歩行時の動揺感と左側の筋力低下を生じ来院した.神経症候学的には意識清明, 構音障害は認めず, 片麻痺様歩行を呈した.瞳孔は左右差なく, 眼球運動正常で, 軟口蓋挙上に左右差なかったが, 軽度左中枢性顔面神経麻痺, 左不全片麻痺を認めた.知覚系は正常, 左側深部腱反射は充進し, 左Babinski徴候陽性, 小脳徴候は陰性であった.発症3日後の頭部CT検査では中脳の右大脳脚に低吸収域を認めた.頭部MRI検査ではT2強調画像で右大脳脚の外側2/3に限局した高信号域を認めた.脳血管撮影では両側椎骨動脈及び脳底動脈には異常なく, 右後大脳動脈にも狭窄, 閉塞性病変は認められなかった.本例はpure motor hemiparesisを呈した大脳脚の1acunarinfactionと考えられた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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