脳卒中
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Helical CT angiographyによる頸部内頸動脈狭窄病変の検索
郡上地区でのprospective studyによる外科療法適応例発見の試み
山川 弘保鷲見 靖彦郭 泰彦坂井 昇山田 弘
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1995 年 17 巻 2 号 p. 109-115

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抄録

岐阜県郡上地区の住民約2万人を母集団として, 頸動脈系の虚血性脳血管障害により入院した33例中29例で頸部頸動脈分岐部における閉塞性病変の有無をhelical CT angiographyにより検索した.患者の平均年齢は71.8歳で, 臨床型はTIA11例, RIND3例, stroke19例であった.症状は運動障害30例, 構語障害8例, 失語症4例で, RINDとstrokeの症例中6例は既往歴にTIAを有していた.背景因子としては高血圧13例, 糖尿病6例, 心疾患17例, 高コレステロール血症4例があり1例で頸部のbruitを聴取した.helicalCTは短時間で簡便に施行でき病変部の描出も良好で, これにより50%以上の狭窄を有すると判定された症例はTIAとstrokeのそれぞれ3例 (6例/60歳以上人口6,589人/1年) で, 脳血管撮影所見とほぼ一致した.最終的にTIAの3例中2例 (2人/2万人/1年) が血栓内膜剥離術の適応となった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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