脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
ゴルフを契機に発症した椎骨動脈解離の1例
寺崎 修司米原 敏郎藤岡 正導橋本 洋一郎内野 誠
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 18 巻 1 号 p. 70-73

詳細
抄録

症例は既往疾患のない38歳, 男性.ゴルフ練習を4時間した後, 右後頸部痛が出現した.その2時間後から左上肢のしびれと歩行障害を自覚し, さらに2日後から吃逆が出現した。第4病日の入院時には症候学的に右延随外側症候群を呈していた.第5病日の右椎骨動脈造影で右後下小脳動脈がV2 portionから分岐し, 右椎骨動脈のV3 portionから両側椎骨動脈合流部までの血管壁不整を伴う狭窄 (string sign) とその直後の閉塞 (tapering occlusion) を認めた.この部位は第56病日には再開通していた.これらの所見は頭蓋外から頭蓋内までの椎骨動脈解離を示唆するものと考えられた.MRIにて下部延随外側の右側に梗塞巣を認めた.椎骨動脈解離の原因としてゴルフスウィングによる外力が考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事
feedback
Top