CTにて多発性脳梗塞と診断された24例の髄液superoxide dismutase (SOD) 活性と脳萎縮・PVLおよびMMST検査結果との関係について検討を行った.髄液SOD活性は亜硝酸法 (大柳変法) でtotal SOD, Mn SOD, Cu-Zn SODを測定し, 脳萎縮の程度はCTscanによる二次元法でbrain-atrophy index (BAI), ventricular area index (VAI), PVL area index (PAI) を求め評価した.その結果, total SODはVAIと負の相関 (p<0.01) を, Mn SODはBAIと正の相関 (p<0.01) を, Cu-Zn SODはVAIと負の相関 (p<0.02) を示した.PAI, MMSTと各SOD活性では, 有意な相関は認められなかった.以上より多発性脳梗塞患者においては脳萎縮が強いほど髄液SOD活性は低下することが示された.