脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
多発性脳梗塞患者における髄液SOD活性の検討
今井 昇野平 修岡部 多加志濱口 勝彦
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 19 巻 3 号 p. 212-216

詳細
抄録

CTにて多発性脳梗塞と診断された24例の髄液superoxide dismutase (SOD) 活性と脳萎縮・PVLおよびMMST検査結果との関係について検討を行った.髄液SOD活性は亜硝酸法 (大柳変法) でtotal SOD, Mn SOD, Cu-Zn SODを測定し, 脳萎縮の程度はCTscanによる二次元法でbrain-atrophy index (BAI), ventricular area index (VAI), PVL area index (PAI) を求め評価した.その結果, total SODはVAIと負の相関 (p<0.01) を, Mn SODはBAIと正の相関 (p<0.01) を, Cu-Zn SODはVAIと負の相関 (p<0.02) を示した.PAI, MMSTと各SOD活性では, 有意な相関は認められなかった.以上より多発性脳梗塞患者においては脳萎縮が強いほど髄液SOD活性は低下することが示された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top