脳卒中
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脳卒中初回発作症例におけるMRI上の無症候性虚血性脳病変
虚血性脳血管障害例における特徴と脳卒中危険因子との関連
難波 昭子浜野 均北川 泰久篠原 幸人
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1997 年 19 巻 5 号 p. 389-396

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抄録

脳卒中初回発作症例43例 (平均年齢65±13歳, 男性34例, 女性9例) を対象に, MRI上の虚血性無症候性脳血管性病巣 (ACI), 脳室周囲高信号域 (PVH) の特徴と, これらと脳卒中危険因子・脳主幹動脈アテローム硬化との関連を検討した.ACIは43例中29例 (67.4%) にみられ, 同様対象におけるCTを用いた過去の報告に比し遥かに高率であった.ACIとの関連で, 高血圧, アテローム硬化は高いオッズ比を呈した.PVHは43例中32例 (74.4%) に認められ, 70歳以上では全例に認められた.PVHは, 4分割表では高血圧およびアテローム硬化と, またそのgradeは年齢, 男性, 高血圧, 糖尿病と関連を示した.ACI, PVHを有する症例では脳主幹動脈アテローム硬化を併発している可能性が高く, たとえラクナ梗塞であっても, largevessel diseaseの有無を十分検索し, その治療法を検討する必要があると思われた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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