抄録
中枢性benzodiazepine受容体(BZR)と特異的に結合するI-iomazenil(IMZ)を用いた脳SPECT早期像の臨床的意義を見いだす目的でIMZ早期分布特性を検討した.対象は大脳基底核陳旧性血管障害10例で大脳皮質と小脳半球のdiaschisis領域(D)と対側正常部(N)に設定した関心領域(ROI)内のRIカウントを平均した.N側をROIとするdynamic SPECTの比較でIMZとIMPの時間放射能曲線に解離が見られ,投与直後から早期分布動態の差異が示された.D側をROIとするIMZ-dynamic SPECTでN側との集積差が早期像撮像時間帯付近で最大になった.static SPECTの比較でD部のRI集積低下度はIMP,IMZ早期像,IMZ後期像の問で有意差(p<0.01)があり,IMPよりIMZ早期像の集積低下が少ない傾向(p=0.07)が見られた.以上の早期分布特性より血流像と同一視されがちなIMZ早期像の臨床的独自性が示され,血流低下,組織障害とBZR残存の関係がIMZ早期像の活用から明らかになる可能性が示唆された.