脳卒中
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尿失禁根治術後に発症した多発性の奇異性脳塞栓症の1剖検例
緒方 利安岡田 靖尾前 豪竹下 盛重藤島 正敏
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1999 年 21 巻 3 号 p. 318-322

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抄録
尿失禁根治術後に発症した奇異性脳塞栓症の1剖検例(50歳,女性)を経験した.下肢静脈瘤の既往あり,尿失禁根治のための膀胱手術後20時間の安静解除後に意識障害,呼吸困難およびほぼ同時期より左片麻痺を来した.入院時両側橈骨動脈の拍動は微弱で,頸部血管エコー検査で右総頸動脈に遊離した血栓エコーを認めた.また肺血流シンチにて両肺野末梢部に多発性の血流欠損像を認めるも,経胸壁心エコー検査では右房負荷の所見は見られなかった.両側中大脳動脈領域に広範な脳梗塞を認め,脳ヘルニアにて第7病日に死亡した.剖検では径7mmの卵円孔開存と下大静脈および右総頸~内頸動脈に紐状血栓を確認した.他に塞栓源がないことから奇異性脳塞栓症と診断した.本症例は急性期の臨床症候,頸部血管エコー及び肺血流シンチにて発症早期より多発性奇異性脳塞栓症を疑い,さらに剖検において病態を確認し得た貴重な症例であり,報告した.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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