脳卒中
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頸動脈プラーク陽性例における総頸動脈内膜中膜複合体肥厚度と危険因子の関連
丸山 照子
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2001 年 23 巻 2 号 p. 181-187

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抄録
総頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)の増大を伴わずに頸動脈プラーク形成のみられる症例群について,糖尿病及び高血圧との関係を中心とした臨床像を分析するため,プラーク陽性108例(平均年齢67.5±9.4歳,平均IMTO.70±0.08mm)をIMTの大小で2群(IMT≦0.65mm;L群/41例,IMT>0.65mm;H群/67例)に分け比較した.糖尿病,高血圧罹患率では「高血圧を伴わない糖尿病」の罹患率(56.1%vs19.4%)がL群で有意に高かったが,「糖尿病と高血圧の合併」及び「糖尿病を伴わない高血圧」の罹患率は2群間に有意差がなくL群に低い傾向が見られた.ともに動脈硬化危険因子として重要とされる糖尿病と高血圧だが,IMT増大と粥状動脈硬化の進展メカニズムにおける異なる役割が超音波断層像から臨床的に示された点で非常に興味深い.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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