脳卒中
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23 巻 , 2 号
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  • 小川 克彦, 水谷 智彦, 鈴木 裕, 亀井 聡
    2001 年 23 巻 2 号 p. 169-173
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    後下小脳動脈内側枝(mPICA)領域梗塞の報告は少ないため,今回,その臨床像を検討した.対象は,頭部CT・MRIにてmPICA領域:全体に梗塞巣を確認した3症例(男性2例,女性1例)である.各症例の臨床症候,画像所見,危険因子,血管造影所見,心エコー所見を検討した.梗塞は,片側2例,両側1例であった.臨床症候では,3例共,めまい・悪心・嘔吐・側方突進現象・開脚歩行・つぎ足歩行不可・病巣側へのロンベルグ徴候をそれぞれ呈し,そのうち2例では眼振も認められた.構音障害・病巣側の協調運動障害は2例にみられたが,それらはあってもごく軽度であった.危険因子では,僧帽弁狭窄症を伴う心房細動(この例は高血圧も合併),高脂血症をそれぞれ1例に認めたが,残る1例には年齢以外に明らかな危険因子を認めなかった.mPICA梗塞の臨床症候は,四肢運動失調が軽いのに対し起立・歩行障害が目立ち,末梢前庭疾患に酷似しているため注意が必要である.
  • 川崎 史朗, 山本 祐司, 角南 典生, 須賀 正和, 水松 真一郎
    2001 年 23 巻 2 号 p. 174-180
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    破裂脳動脈瘤急性期手術例にDay5前後に脳血流SPECT定量を行い,脳血管攣縮(spasm)の程度と臨床経過および転帰を対比検討した.対象は1996年9月以降の26例で,転帰はGlasgow outcome scaleで評価,good recovery (GR)・moderately disabied (MD)を良好群,severely disabled (SD)・vegetative survival (VS)・Deadを不良群とし,rCBF(局所最低値)・hCBF(半球平均値)・rDx(Dx反応値)・hDx等により分析した.その結果,良好群21例(GR17,MD4)のrCBF=31.0(ml/100g/min.以下省略),hCBF=38.8,rDx=44.8,hDx=53.3,不良群5例(SD2,VS2,Dead1)のrCBF=19.2,hCBF=30.2,rDx=25.3,hDx=38.1であった.両群の検定ではrCBFが最も鋭敏な指標となり(p<0.002),hCBF,rDx,hDxでも有意差(p<0.05)を認めた.術後急性期CBFは意識レベルが良い例でも健常人より低下しておりspasmの初期段階と考えられ,CBFと循環予備能の評価はspasmの重症度を予測し対策を講じる上で有用であった.
  • 丸山 照子
    2001 年 23 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
    総頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)の増大を伴わずに頸動脈プラーク形成のみられる症例群について,糖尿病及び高血圧との関係を中心とした臨床像を分析するため,プラーク陽性108例(平均年齢67.5±9.4歳,平均IMTO.70±0.08mm)をIMTの大小で2群(IMT≦0.65mm;L群/41例,IMT>0.65mm;H群/67例)に分け比較した.糖尿病,高血圧罹患率では「高血圧を伴わない糖尿病」の罹患率(56.1%vs19.4%)がL群で有意に高かったが,「糖尿病と高血圧の合併」及び「糖尿病を伴わない高血圧」の罹患率は2群間に有意差がなくL群に低い傾向が見られた.ともに動脈硬化危険因子として重要とされる糖尿病と高血圧だが,IMT増大と粥状動脈硬化の進展メカニズムにおける異なる役割が超音波断層像から臨床的に示された点で非常に興味深い.
  • 中島 一夫, 林 由紀子
    2001 年 23 巻 2 号 p. 188-194
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2010/03/04
    ジャーナル フリー
    非弁膜症性心房細動194例(発症年齢65.1±10.5歳,ワルファリン開始年齢69.5±8.8歳,男性124例,女性70例,慢性心房細動157例)を対象としてワルファリンによる脳梗塞発症一次予防の後ろ向き検討を行った.総観察期間7,175カ月間で脳梗塞は11例(年間発症率1.8%)に,また脳出血は3例(年間発症率0.5%)に生じた.平均INR別に低用量ワルファリン群(1.5≦平均INR<2.4)92例と超低用量ワルファリン群(1.0<平均INR<1.5)102例の2群に分けて検討すると,臨床背景については有意差を認めなかった.脳梗塞発症率は低用量ワルファリン群で年間0.6%と超低用量ワルファリン群の年間3.1%に比して有意に低率であったが(p=0.028),脳出血発症率は両群間で有意差がなかった(0.3vs0.7%/年,p=0.522).本邦の非弁膜症性心房細動例の脳梗塞発症一次予防には低用量ワルファリンが推奨される.
  • 宇野 昌明, 永廣 信治
    2001 年 23 巻 2 号 p. 195-199
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    徳島県における脳血管障害,特に急性期脳梗塞の医療の実態をアンケートにより調査したので報告する.徳島県下の86施設(総合病院では内科と脳神経外科)にアンケートを郵送し,41施設から回答を得た.脳卒中患者数は1年間で2,057例あり,1施設あたりの平均は63例であった.内訳は脳梗塞が1,670例(66%),脳出血が593例(24%),くも膜下出血が244例(10%)であった。急性期脳梗塞患者の発症から診察までの時間は内科を中心とした施設では発症後6時間以内が21%,1日以内が56%であり,脳神経外科医の施設より発症から早い時間に患者を診察していた.脳梗塞急性期に動脈内血栓溶解療法を施行したのは全脳梗塞患者の3%であった.脳卒中診療で内科医の施設で困っている点は紹介先がないこと,治療選択に迷うことがある点,脳外科医の施設ではリハビリ施設がない,使いたい薬剤が保険適応になっていないことが挙げられた.
  • 佐藤 美佳, 長田 乾, 渡引 康公, 佐藤 雄一, 平田 温
    2001 年 23 巻 2 号 p. 200-203
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳梗塞により上肢のみの単麻痺を呈したpure motor monoparesis(PMM)8症例についてMRI拡散強調画像(diffusion-weighted imaging, DWI)を用いて検討した.全例が遠位側に強い上肢の麻痺を呈した.拡散強調画像で捉えられた責任病巣のほとんどは15mm以下の小病巣で,6例については複数の病巣を認めた.また,8例中4例では内頸動脈狭窄を,1例で一過性心房細動を,1例で卵円孔開存を認め,塞栓性機序が推測された。2次予防を選択するためにもDWIにより早期に責任病巣を明らかにし,発症機序を検討することが必要である.
  • 西田 浩, 清水 洋孝, 田中 優司, 衣斐 達, 佐橋 功
    2001 年 23 巻 2 号 p. 204-207
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    44歳,男性,既往歴に糖尿病.緩徐進行性の自発性低下を主訴に入院.入院時は無関心・注意力低下と自発性消失,発語量の低下等の精神症状と動作緩慢,Gegenhaltenを認めた.高次機能検査では近時記憶障害,同じ色で同一部位を塗り続けるなど反復・常同動作を認めた.頭部MRIでは両側視床はT2強調画像で高信号を示し,同部位に造影効果を認めた.脳血管撮影静脈相では深部脳静脈が描出されず,また動脈相ではテント動脈より硬膜動静脈瘻(dural AVF)を認めたことより,dural AVF合併の深部脳静脈血栓症と診断した.本例は前頭葉症候で発症した点が特徴的であり,脳血流SPECT上両側前頭葉が低集積であったことより,視床―前頭葉間の連絡路障害による可能性を考えた.
  • 渡辺 正樹
    2001 年 23 巻 2 号 p. 208-210
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    高血圧,糖尿病および降圧薬服用の有無がラクナ梗塞(246例)の発症に及ぼす影響について発症時間の点から検討した.ラクナ梗塞の発症は夜間就眠中と午後活動中に多かった.高血圧のみを有する午後活動中発症例は降圧薬非服用者に多かったが,夜間就眠中発症例では降圧薬服用者に多く,降圧薬による夜中の血圧低下が発症に影響する可能性が示唆された.高血圧に糖尿病を合併した例では,降圧薬服用者の発症は夜間就眠中に多いばかりでなく午後活動中にも非服用者と同程度に多く,糖尿病による血圧調節障害が推定された.
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