脳卒中
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東北地区「延髄梗塞」共同調査報告
加藤 丈夫亀田 亘
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2002 年 24 巻 2 号 p. 240-246

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抄録
目的:MRIの登場後に増加してきた延髄梗塞(MI)を検討した.対象・方法:1996年から2000年に,MRIにて診断された東北地区のMIを臨床調査票,画像にて検討した.結果:214例のMIに167例(78%)の延髄外側梗塞(LMI),41例(19%)の延髄内側梗塞(MMI),6例(3%)の外側かつ内側梗塞がみられた.平均発症年齢と男女比はLMIが各々60.7歳2.7:1で,MMIが65.0歳,3.6:1であった.中部延髄にLMI,上部延髄にMMIが好発し,椎骨動脈解離はLMIで31例(19%),MMIで4例(10%)にみられた.LMI, MMI共に予後良好であった.MMIの糖尿病の合併率(46%)はLMIより有意に高かった.結論:MIの約2割はMMIで,原因として椎骨動脈解離が少なくなかった.LMI,MMI共に男性に多かった.MMIはLMIより高齢発症で,危険因子として糖尿病の重要性が示唆された.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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