脳卒中
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24 巻 , 2 号
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  • 島津 智一, 荒木 信夫, 浅野 賀雄, 島津 邦男
    2002 年 24 巻 2 号 p. 193-200
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    本基礎研究は,高血糖時の脳虚血・再灌流負荷に対する脳内NO産生動態の解明を目的とした.雄性Wistarラットを対象に,高血糖群と対照群をそれぞれ7匹用いた.大腿動静脈にカテーテルを挿入し,血圧測定とglucose注入に用いた.一側線条体と海馬に微小透析プローブを刺入し,in vivo microdialysisを行った.脳虚血はSmithの方法に従い,前脳虚血を20分間施行した後,再灌流・血液再注入を行った.実験終了後,灌流液中のNO2-とNO3-濃度をGriess反応で測定し比較した.1.基礎NO産生:高血糖群のtotal NO(NO2-+NO3-)は対照群に比し線条体・海馬ともに高値を示した.II.虚血後NO産生:線条体における虚血10,20分後のtotal NOは高血糖群では対照群に比し高値であった.再灌流10分のNO3一は高血糖群では対照群に比し高値であった.以上より,高血糖負荷時の虚血・再灌流における線条体のNO産生増加は,高血糖による細胞傷害の一つの要因であると考えた.
  • 平野 照之, 橋本 洋一郎, 米原 敏郎, 徳永 誠, 内野 誠
    2002 年 24 巻 2 号 p. 201-207
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    熊本市の神経内科関連施設での虚血性脳血管障害急性期治療を調査し「地域完結型」脳卒中診療態勢の特徴を検討した.1999年5月から2000年4月の急性期虚血性脳血管障害806例(男性459例,女性347例,平均年齢71.0±12.2歳)の前向き登録の結果,臨床病型では心原性脳塞栓症が最も多く(29.4%),NIHSSは平均8.2,中央値5.発症3時間以内の来院は41.3%,平均在院日数は17.3±17.4(中央値14)日..退院先は転院44.1%,自宅42.7%,その他7,6%,死亡5.6%であり,自宅退院例の76.6%が14日以内,転院例の62.1%が21日以内に退院していた.転帰良好例(mRS≦2)は49.9%,転帰不良例(mRS≧4)は39.0%であった.急性期病院とリハビリ専門病院の病院チームで,地域を単位とした診療態勢を構築している.
  • 菅野 秀宣, 新井 一, 佐藤 潔, Richard M. McCarron, Maria Spatz
    2002 年 24 巻 2 号 p. 208-215
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    今回,我々はエンドセリン受容体拮抗薬RO 61-1790 (Hoffman La Roche, Switzerland)が,ラット中大脳動脈閉塞モデルにおいて脳梗塞発生にどのような影響をおよぼすかを検討し,その抗虚血作用について検証を試みた.中大脳動脈閉塞モデルにおいて,RO 61-1790を動脈閉塞5分前と5時間後に2回投与した実験動物群と,動脈閉塞5分前,5および8時間後に3回投与した実験動物群を用意,24時間後の脳梗塞容積を測定し,各々の群で生理的食塩水を投与した動物と比較した.2回投与では有意差を認めなかったが,3回投与では,RO 61-1790が脳梗塞容積を有意に縮小せしめる結果となった.エンドセリン受容体拮抗薬RO 61-1790は脳梗塞の発生・進展を抑制するように作用するが,このような効果を得るためには,脳虚血後の頻回なる薬物の投与が必要である.
  • 太田 一樹, 玉城 欣也, 新井 鐘一, 荒川 修治, 藤島 正敏
    2002 年 24 巻 2 号 p. 216-222
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    橋深部小梗塞の成因について,拡散強調画像(DWI)を用いて検討した.DWIで橋部に限局して急性脳虚血病巣を認めた26例について,橋底部腹側縁に接するもの(1群)と接しないもの(2群)に群分けし,さらに単発性か多発性かに細分類した.1群は15例(単発14例,多発1例),2群は10例(単発5例,多発5例)あり,後者に多発例が有意に多かった.その背景因子として,MRAによる血管病変の有無を比較したところ,単発例が圧倒的に多い1群では糖尿病を合併し,主幹動脈の有意狭窄性病変例が多く,かつ神経症候増悪例が多かった.その発症機序は主幹動脈狭窄,あるいはbranch atheromatous disease(BAD)による血栓性機序が考えられた.一方,2群は半数に多発例があり,その機序としては大循環系ないし主幹動脈の有意狭窄性病変由来の塞栓性機序が疑われた.2群には高血圧性小血管病変による血栓性機序と,塞栓性機序の関与が示唆された.橋部梗塞は梗塞部位によって発症機序が異なることが考えられ,治療あるいは再発予防上重要である.
  • 曲 紅, 西丸 雄也, 宇都宮 英綱, 畝 博
    2002 年 24 巻 2 号 p. 223-233
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳のMR画像上の微小病変の臨床的意義は不明である.私たちは径15mm以下の梗塞巣以外の局在病変を含まない390例を検討した.部位別に,径3mm以下の均質で境界鮮明な周囲に変化のない微小病変と,血管疾患の危険因子との関連を分析した.さらに微小病変と脳梗塞の発症との関連を調査した.微小病変は前有孔質,基底核,皮質下白質に多かった.基底核の微小病変は年齢と高血圧,皮質下白質の微小病変,特にT1WI低信号,T2WI高信号の病変は高血圧,空腹時血糖値と関連があったが,前有孔質では関連がなかった.脳梗塞は29例に発症した.基底核上部のT1WI低信号,T2WI高信号,proton/FLAIR低信号の多発例からの脳梗塞発症が多かった.[結論]前有孔質の微小病変の臨床的意義は小さいが,基底核上部の微小病変は血管性危険因子と関連し,その多発は脳梗塞再発の予知因子となる.
  • 清水 美衣, 山本 正博, 安藤 泰彦, 田畑 修, 篠原 幸人
    2002 年 24 巻 2 号 p. 234-239
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳梗塞における血小板活性化状態の把握は,脳梗塞の発症および再発予防の面から重要であるが,簡便かつ定量的な測定法がなかった.我々は急性期(発症24時間以内治療前)および慢性期(発症1カ月以上)脳梗塞患者における血小板活性化状態を,最近実用化された活性化血小板特異的モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリー法にて検討した.〔方法〕対象は,心原性脳塞栓症を除く急性期脳梗塞患者26例,慢性期脳梗塞患者59例.対照として頭部MRIに虚血性変化をみない,年齢をマッチさせた26例を用いた.活性化血小板特異的モノクローナル抗体としては,抗CD62P抗体とPAC-1を用いた.〔結果および結論〕活性化血小板マーカー,P-セレクチン(CD62P)陽性率は対照群0,9±2.3%に対し,急性期群7.1±3.1%(p<0.001),慢性期群3.8±2.9%(p<0.001)であった.PAC-1陽性率は,対照群では17.9±10.6%に対し,急性期群71.6±19.0%(p<0.001),慢性期群61.2±26.0%(p<0.001)と対照群と比べ,両マーカーとも有意に増加していた.また,急性期群と慢性期群の問にはCD62P陽性率(p<0.05)に有意な差があった.さらに,病型別検討では,急性期群では差がみられなかったが,慢性期群でラクナ群よりアテローム血栓性脳梗塞群が,CD62P(p<0.01),PAC-1陽性率(p<0.01)ともに有意に高値であり,これらの脳梗塞群における血小板活性化機構に相違があることが考えられた.
  • 加藤 丈夫, 亀田 亘
    2002 年 24 巻 2 号 p. 240-246
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    目的:MRIの登場後に増加してきた延髄梗塞(MI)を検討した.対象・方法:1996年から2000年に,MRIにて診断された東北地区のMIを臨床調査票,画像にて検討した.結果:214例のMIに167例(78%)の延髄外側梗塞(LMI),41例(19%)の延髄内側梗塞(MMI),6例(3%)の外側かつ内側梗塞がみられた.平均発症年齢と男女比はLMIが各々60.7歳2.7:1で,MMIが65.0歳,3.6:1であった.中部延髄にLMI,上部延髄にMMIが好発し,椎骨動脈解離はLMIで31例(19%),MMIで4例(10%)にみられた.LMI, MMI共に予後良好であった.MMIの糖尿病の合併率(46%)はLMIより有意に高かった.結論:MIの約2割はMMIで,原因として椎骨動脈解離が少なくなかった.LMI,MMI共に男性に多かった.MMIはLMIより高齢発症で,危険因子として糖尿病の重要性が示唆された.
  • 小林 祥泰, 永廣 信治
    2002 年 24 巻 2 号 p. 247
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 峰松 一夫, 木村 和美, 山口 武典
    2002 年 24 巻 2 号 p. 248-252
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Evidence-based medicine (EBM) has been emphasized in Japan for these years. In management of acute stroke, prospective stroke registries and randomized controlled trials have provided evidence that helps us examine and treat patients with acute stroke. Unfortunately evidence in stroke management has almost always been imported into Japan from the Western countries.
    In order to obtain reliable large-scale data on stroke management, the Japan Multicenter Stroke Investigators' Collaboration (J-MUSIC) conducted a multicenter study. A total of 16, 922 patients with acute ischemic stroke admitted to 156 hospitals within 7 days after stroke onset were prospectively registered during the study period of one year. The study clearly demonstrated age, sex, onset to arrival time, neurological deficits, stroke subtypes, length of hospital stay, and clinical outcome of the patients and the current status of acute ischemic management. The study provided results supporting potential efficacy of hyperacute local thrombolytic therapy with urokinase.
    In order to succeed to the fruits of the J-MUSIC study, the Japanese Standard Stroke Registration Study (JSSRS) was organized and completed a computer software for electronically collected database of acute stroke patients. The JSSRS database will be used for the nation-wide stroke registry, so-called Japan Acute Stroke Data Bank, and will help establish EBM for acute stroke in Japan.
  • 中川原 譲二, 上山 憲司, 大里 俊明, 中村 宏, 武田 利兵衛, 中村 博彦
    2002 年 24 巻 2 号 p. 253
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 明文
    2002 年 24 巻 2 号 p. 254
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 小林 祥泰
    2002 年 24 巻 2 号 p. 255-259
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    There is only a few evidence for stroke management has been reported from Japan. It is necessary to make a data bank of acute stroke patients as infrastructure to make evidence for standardization of stroke management. We made Japan standard stroke registry study (JSSRS) supported by ministry of health and welfare from 1999 to 2002. We completed computerized registry system and accumulated about 8, 000 acute stroke cases from 45 stroke center hospitals. This system is also functioning as a stroke database for each hospital. From the analysis of the distribution of stroke subtype, the incidence of atherothrombotic infarction and cardiogenic embolism was similar to lacunar infarction as shown in Figure 1. Furthermore, the 38% of ischemic stroke patients admitted within 3 hours. Thrombolytic therapy was performed in 15% of the patients who admitted within 3 hours and their initial severity were NIHSS 6-29. The outcome of the patients treated with thrombolytic therapy was significantly better than those without it. These data indicate that the stroke data bank should be useful tool to make verification of the guideline and planning a clinical trial for EBM in near future.
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