出血発症もやもや病の自然歴を明らかにするため長期追跡結果について検討した.当施設に入院となった16例について追跡調査を行った.追跡期間は1~161カ月,平均61カ月である.再出血前のGlasgow Outcome Scale (GOS)はGR (good recovery) 38%, MD (moderate disability) 19%, SD (severe disability)6%, VS(vegetative state)13%, D(dead) 25%であった.その後7例が2~161カ月の問に再出血をきたし,うち1例は再出血から41カ月後に3度目の出血をきたした.最終GOSはGRが38%から19%に減少し,Dは25%から69%に増加した.Dの原因は原疾患によるもの9例のほか,初発から27カ月後に腎不全を合併した1例と158カ月後に肺炎で死亡した1例があった.3例に間接的血行再建術を行ったが,いずれも6~161カ月のあいだに再出血をきたした.出血例は経過観察中に再出血をきたす可能性が高く,間接的血行再建術では再出血を予防することが困難と思われた.