脳卒中
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エダラボン臨床報告併合解析(メタアナリシスの手法を用いて)
奥田 聡山口 武典
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2006 年 28 巻 3 号 p. 378-384

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抄録

脳保護薬エダラボンのラクナ梗塞に対する有効性を検討するため,過去に報告された臨床報告を併合解析し,メタアナリシスの手法を用いて検討した.「エダラボン」「脳梗塞」「人」をキーワードとして電子的検索を行い,主要学会報告についてはその抄録からハンドサーチを実施した.抽出された臨床報告の報告者に調査協力とデータ提供を依頼し,使用許可の得られた35報のうち,対照群を設けた研究デザインで,「エダラボン投与群が10例以上」「評価項目にmodified Rankin Scale(mRS)を使用」「対照群と投与群間の入院時重症度に有意差がない」などを基準として解析対象報告を選別,臨床報告14報をラクナ梗塞の併合解析に使用した.ラクナ梗塞におけるmRS 0-1の割合は,オッズ比1.41(95%CI:1.01~1.97)で,エダラボン群で軽度ながら有意に機能予後が良好であった.ラクナ梗塞にエダラボンを投与することで,機能予後良好の割合が改善する可能性が示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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