脳卒中
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脳梗塞を併発した片頭痛7症例の臨床的検討
飯嶋 睦内山 真一郎吉澤 浩志赫 洋美益田 陽子松村 美由起堤 由紀子岩田 誠
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2006 年 28 巻 3 号 p. 385-390

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抄録

脳梗塞と片頭痛の関連性について検討した.対象は片頭痛を有し,片頭痛発作にひき続き脳梗塞を発症した7例.発症年齢は平均30歳で,女6例,男1例であった.発症時に前兆のある片頭痛を呈した患者は2例のみで,他の5例は前兆を認めなかった.病巣は椎骨脳底動脈・後大脳動脈領域が6例,中大脳動脈領域が1例であった.高血圧,高脂血症糖尿病,心疾患の合併例はなかった.βトロンボグロブリンと血小板第4因子は6例で上昇し,抗核抗体は5例で陽性,カルジオリピンIgM抗体は1例で陽性,ループスアンチコアグラントは2例で陽性で,うち1例は急性期のみ陽性であった.片頭痛による脳梗塞は椎骨脳底動脈系に多く,その発症に血小板機能亢進や,一部の症例では自己免疫病態や抗リン脂質抗体の関与が推察された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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