脳卒中
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脳血管反応性に対するノルアドレナリン作動性神経の関与について
Dopamine β-hydroxylase阻害の影響
小林 祥泰
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1981 年 3 巻 1 号 p. 54-62

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抄録
目的 : 脳血管CO2反応性および自己調節機構に対するノルアドレトリン (NA) 作動性神経の関与について実験的検討を行なった.
方法 : 成猫33匹を用い, 水素クリアランス法, 交叉熱電対法により局所脳血流 (rCBF) を測定した.NA作動性神経の抑制には強力なdopamine-β-hydroxylase (DBH) 阻害剤であるフザリン酸 (FA) (20mg/kg) 静注を用いた.
結果 : 1) FAは視床部rCBFをdose-dependlentに増加させた.2) DBH抑制により5% CO2吸入による脳血管CO2反応性は有意に増加した.しかし, 過換気に対する反応性には変化が認められなかった.3) DBH抑制により脱血による血圧下降に対する脳血管自己調節機構の抑制がみられたがアンギオテンシンIIによる昇圧に対しては有意の変化は認められなかった.結論 : NA作動性神経は脳血管CO2反応性に対し抑制的に働いており, また {nL圧下降に対する脳血管自己調節機構に重要な役割を演じていることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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