抄録
脳卒中を自然発症するモデル動物 (脳卒中易発症SHR, stroke-prone SHR SHRSP, 1974) が高血圧自然発症ラット (spontaneously hypertensiv erats; SHR, 1963) より選択交配により確立されて以来, 実験病理学の新分野が開けつつある.すなわち, 人工的モデルでは不可能な, 自然に惹起される脳卒中の成因のみならず予知や予防の実験的研究が可能となったからである.高血圧性脳血管障害のモデルSHRSPに対し, 脳血栓を多発する血栓自然発症ラット (spontaneous thrombogenic rats; STR, 1978) や短期間の高脂肪食負荷で高脂血症と共に腸間膜動脈や脳底部動脈に脂肪沈着を来たす動脈硬化のモデル (arteriolipidosis-prone rats; ALR, 1976) も確立され, 脳出血, 脳血栓症, 脳動脈硬化症についての分析的研究も可能となつた (図1).