脳卒中
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Thalamic aphasiaの一例
鈴木 則宏天野 隆弘後藤 文男
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1981 年 3 巻 4 号 p. 356-362

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抄録

視床病変と失語症の関連について内外の報告があるが, 病巣が視床に限局するものは極めて少ない.我々は左視床前半部に限局した脳出血を認め, 慢性期においても特異な失語症が持続する症例を経験した.症例は54歳男性, 右利き.ゴルフ中突然発症.意識清明.言語は自発言語に乏しく, 音量は小さく, 音読, 会話でも語句や文章を省略する傾向や加速傾向を認めた.復唱は正常であったが同様の省略傾向を認めた.言語理解は正常.書字言語も正常.神経学的には運動系・感覚系ともに異常なし.失語以外は大脳皮質症状なし.CTで左視床に限局する小出血を認めた.本症例でみられた失語症は文献的類似症例とともに分析すると, 既存の分類のいずれにも属さず, 本特徴を有する失語症を “thalamic aphasia” として取扱うことを提唱したい.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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