脳卒中
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脳血栓・脳出血の再発例の検討
熊本 一朗野元 正弘大勝 洋祐井形 昭弘
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1985 年 7 巻 2 号 p. 180-185

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抄録

当院の最近3年間の入院患者のうち脳血栓517例・脳出血143例計660例全例を対象とし, 臨床症状・CTscanにて再発例を検討したところ100例の再発例が認められ, 脳血栓を繰り返したもの73例, 脳血栓の次に脳出血を起こしたもの6例, 脳出血の次に脳血栓を起こしたもの4例, 脳出血を繰り返したもの17例であった.再発部位は脳血栓では同側・反対側大脳半球にほぼ同数であったが, 脳出血では反対側大脳半球への再出血が大多数を占めていた.再発の回数は脳血栓では73例中56例 (77%) が1回のみであり, 脳出血では全例1回のみであった.また脳血栓では73例中23例 (37%) が, 脳出血では17例中7例 (42%) が1年未満に再発を起こしていた.脳出血の再発であった23例中7例 (30%) が発症後1ヵ月以内に死亡または植物状態となり予後不良であった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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