抄録
FBTはフィルター通過時の血小板shear活性化による凝集塊形成に基づく血流低下を原理とする新しいin vitro出血時間測定法であるが, この系を用い脳動脈血栓の成立機序に関与する血小板shear活性化のchemical mediatorにつき検討した.FBTは血小板膜糖蛋白IIb・IIIaに対する特異抗体HP1-1D, 血漿ADPを除去し作用を阻害するCP・CPK・ATPにより延長し, thromboxane合成酵素阻害剤 (TXI) UK-37,248・UK-38,485により変化せず, CP・CPK・ATPとTXIの併用により相乗効果を認めた.血漿Hbと遊離111Indium測定によりFBT中赤血球と血小板の破壊が生じることが解り, 血小板lysisはHP1-1Dにより抑制され, TXIにより抑制されなかった.以上の結果より, 血小板shear活性化にはTXA2は二次的で, ADPが最も重要であり, ADPは血小板放出反応の他に赤血球や血小板の破壊による胞体からの供給も考慮すべきである.