脳卒中
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Hypersomniaを呈した一側性視床前内側部梗塞の2例
佐藤 雄一田川 皓一平田 温長田 乾
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1985 年 7 巻 3 号 p. 263-268

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抄録
一側視床前内側部の梗塞により, 急性発症のhypersomniaと記銘力障害を呈した2例を経験した.
症例1 : 62歳, 女性, 右利き.hypersomniaと記銘力障害を認めた.CTscanにて, 非優位側視床の前内側部にX線低吸収域を認めた.症例2 : 68歳, 男性, 右利き.hypersomniaと知的能力の低下や記銘力障害などの精神機能の低下を認め, また, Horner症候群と右上肢の軽度の脱力および異常知覚を認めた.CTscanにて, 優位側視床の前内側部にX線低吸収域を認めた.2症例とも, hypersomniaは約2週間の経過で消失した.
hypersomniaと記銘力障害の発現に関する視床前内側部の意義について検討し, 文献的考察を加えた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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