ウイルス
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総説
ヘルペスウイルスの感染機構―特に宿主細胞への侵入および粒子成熟機構
森 康子
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2007 年 57 巻 2 号 p. 151-158

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抄録

 ヘルペスウイルスは,ウイルスエンベロープにある糖タンパク質が特異的な宿主レセプターを認識することにより,細胞内へ侵入する.その後,核内で形成されたヌクレオカプシドは,細胞質へ放出され,細胞質においてテグメントを獲得し,ウイルス感染によって形成された小胞膜に出芽する(secondary envelopment).Secondary envelopmentには,数種のウイルスエンベロープ糖タンパク質やテグメントタンパク質が関与し,それらの相互作用が重要であることが示されている.しかし,詳細なヘルペスウイルスの粒子成熟機構は未だ解明されていない.本稿では,最近の知見を中心にヘルペスウイルスの宿主細胞への侵入および粒子成熟機構に関して述べる.

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© 2007 日本ウイルス学会
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